WebやRIAの今後とデザイナーの獲得競争

Flashの素晴らしい所はデザイナー側だけで何とかコンテンツを作れるだけの素晴らしいツールを提供しているところにあると思います。Flash Playerの普及率もその根強い人気の要因の一つですが、そのコンテンツを作るためのツールがデザイナーにとって「入りやすい位置」にあると言えます。

SilverlightではExpression Blendが提供されていますが、Flashのツールがデザイナーに行き渡っている今、高価で新たに学習が必要なExpression Blendが普及するのはかなり難しいと思います。どちらかというとシステム開発側との連携上やむなくShilverlightを選択した場合が多いのではないでしょうか。

またHTML5では規格もまだまだなのですが、本格的にデザイナーが使うようなツールは出てきていないようです。規格がオープンで各社が主導権争いをしている状況では、強力にツール開発を推進していくのは難しいのでしょう。ベンチャーで出てきても良いと思うのですが、ある程度自分たちの思惑・主張が出来るような立場の会社でないと難しいかもしれません。一番可能性がある会社としてはAppleでしょう。おそらくもう作っているのではないでしょうか。あれだけFlashを批判してHTML5を推進しているのですから。

こうした状況を考えるとSilverlightはかなり不利であることがわかります。まずはデザイナーに普及させるのが第一ですので、ここはVS ExpressのようにExpression Blend Expressを出してすこしでもこれからのデザイナーに選択してもらえるようにするしかないかなと。

技術的な点から見ると、流れ的にはブラウザからプラグインは排除される方向のように思います。そうなるとHTML5がブラウザ上のアプリケーションの標準となりFlash(AIR)やSilverlightはデスクトップへと追いやられて行くことになるでしょう。そしてHTML5の技術者が増えノウハウやライブラリが充実してくると今度はデスクトップへ。

そんな簡単にはいかないと思いますがそうなった時、ポイントとなるのは実はデザイナーのような気がします。adobeはデザイナーをいかにして手放さないようにするか、他社はいかにしてデザイナーを取り込むか。意外とHTML5の素晴らしいデザイナー向けアニメーションツールがベンチャーからポッと出て状況が一変してしまうかもしれませんね。